日本消化器病学会雑誌
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総胆管結石症における胆道鏡観察下電気水圧砕石術の有用性に関する臨床的研究
山田 珠樹鈴木 敏行小林 英治森田 敬一吉岡 宣夫小川 裕隈井 知之石黒 洋鈴木 貞輔
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1989 年 86 巻 7 号 p. 1505-1512

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抄録

胆道結石症20例に対して胆道鏡観察下に電気水圧砕石術を施行し, 全例で重篤な合併症なく, 結石を破砕, 摘除し得た. 術後最長16カ月, 平均8.6カ月経過したが, 結石の遺残, 再発の徴候を示した例はない. 治療に必要なPTCD期間は34.3±8.1日, 砕石術施行回数は1.7±1.0回, 1回の砕石術所要時間は91±26分であつた. 本治療法のPTCDから退院までの期間は, 総胆管結石症では39.8±6.1日, 胆嚢•総胆管結石症では46.3±8.8日であつた. 本治療法は, 高齢者, poor risk 例, 開腹術拒否例, および, 遺残あるいは再発例の総胆管結石症に対して, 内視鏡的乳頭切開術による截石や手術と比較して遜色のない成績が期待できる方法と考えられる.

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