日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
血清AFP値による肝細胞癌に対する治療効果判定法
治療前後のAFP値の推移から求めた角度αを指標として
卜部 健林 清次寺崎 修一寺田 光宏松下 栄紀金子 周一稲垣 豊米島 学鵜浦 雅志小林 健一服部 信
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1990 年 87 巻 1 号 p. 100-108

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抄録

肝細胞癌症例において, 化学療法, 経動脈的腫瘍塞栓術, 経皮的エタノール局注療法が施行された48症例, のべ治療56回を対象とし, 血清AFP値の推移を一定規格の片対数グラフ上で最小2乗法により治療前後それぞれ直線を描き, それらが交差する角度 (補角) αを指標とした治療効果判定法について検討した. 角度αは平均32±38度に分布し, 著効, 有効例は高値, 進行例は低値を示し, 臨床的評価と相関した. 効果が腫瘍縮小率として反映されず, 評価困難な例においても定量的に効果判定が可能であつた. 角度αの高値群は低値群に比し有意な生存曲線の延長が認められた. 以上より肝細胞癌の各種治療の効果判定法として本法は臨床的に極めて有用と考えられた.

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