日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ポジトロンCTによる網内系機能評価
慢性肝疾患例における検討
岡田 周市大藤 正雄国安 芳夫東 靜香有水 昇植松 貞夫
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1990 年 87 巻 1 号 p. 90-99

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抄録

ポジトロンCT (PET) の網内系機能評価における有用性を検討するため, PET用肝スキャン剤である68Ga-millimicrosphered albumin を慢性肝疾患例に臨床応用し, 肝•脾の容積と放射性コロイドの集積を定量的に測定した. 慢性肝疾患の進行に伴い肝の容積は縮小し, 集積率も低下するのに対し, 脾では容積は増大し, 集積率も上昇した. さらに, Differential Absorption Ratio による解析の結果, 肝組織1g当りの集積量は慢性肝疾患の進展に伴い低下したが, 脾組織1g当りの集積量には変化が認められず, 慢性肝疾患例における脾集積率の上昇は主として脾容積の増大に基づくものであることが示唆された. 本剤によるPETは肝•脾の容積と放射性コロイド集積の定量的測定が可能であることから, 慢性肝疾患の病態解明, 特に網内系機能評価に有用と考える.

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