日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
胃底腺における teprenone, H2受容体拮抗剤のホスファチジルコリン合成に及ぼす効果
西崎 朗誉田 芳孝中野 修松田 康平和田 謙長尾 宗彦的崎 尚坂本 長逸
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1990 年 87 巻 10 号 p. 2352-2357

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抄録

モルモット単離胃腺を作成し, teprenone, H2受容体拮抗剤 (H2RA) の胃粘膜ホスファチジルコリン (PC) 合成への効果を検討し, 合わせて teprenone のCTP: phosphocholine cytidylyltransferase (CTF) 活性に及ぼす効果も検討した. Teprenone は,〔3H〕choline のPCへの取込を用量および時間依存性に刺激し,〔3H〕choline 標識胃腺においてもPC合成を経時的に刺激した. 一方H2RAは取込実験においてのみ,〔3H〕PC合成を抑制し, パルミチン酸によるPC合成刺激作用も抑制した. また teprenone は, CTF活性を有意に亢進させた. 従つて teprenone は, CTFの活性化を介しPC合成を刺激し, 一方H2RAは choline transport または choline kinase を抑制してPC合成を抑制すると思われた.

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