1990 年 87 巻 11 号 p. 2509-2516
経腸栄養剤の窒素成分として利用されつつあるオリゴペプタイドの膵外分泌およびセクレチン, コレシストキニン (CCK) に対する影響を検討した. ラットの十二指腸に3~4個のアミノ酸の結合したオリゴペプタイドを25, 100, 400mg/hrの3用量で1時間持続投与した. オリゴペプタイド投与により膵液量, 重炭酸塩, アミラーゼ分泌量は, 有意に用量依存性に増加した. また, 血中セクレチン, CCK濃度も用量依存性に上昇した. CCK拮抗薬, CR1505 (5mg/kg•hr) の静脈投与により, オリゴペプタイド投与で増加したアミラーゼ分泌量は著明に抑制された. 以上より, 3~4個のアミノ酸によるオリゴペプタイドの十二指腸投与は, 内因性セクレチン, CCKの遊離を介して, 膵外分泌を増加させると考えられる.