日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
大陽Is型, Ip型ポリープと扁平型隆起の臨床病理学的検討
木田 実田中 孝服部 文雄近藤 清治原田 亘高木 敦司伊東 和樹松本 春樹小島 紘一谷山 清己鈴木 春見梶山 梧朗三好 秋馬
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1990 年 87 巻 5 号 p. 1154-1159

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抄録

当院で過去5年間に得られた大腸腺腫620病変 (Is型509病変, Ip型83病変, 扁平型28病変) と早期癌113病変 (Is型51病変, Ip型39病変, 扁平型23病変) を対象とし, 各型の組織像を比較した. Is型, Ip型ポリープの組織像はその90%以上が腺腫と腺腫内癌で占められていたのに対し, 扁平型隆起ではm癌, sm癌の頻度が計25.5%と有意に高かつた. 扁平型隆起は10mm未満でも癌比率は26.3%と他型に比し有意に高値であり, 10mm以上ではすべて癌であつた. 扁平型早期癌の大腸内分布は他型と比較して進行癌に近似しており, 各部位の癌比率はすべて高く, 他型と異なる傾向を示した. 以上扁平型早期癌は他型早期癌とは異なつた発癌•進展過程の関与が示唆された.

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