1991 年 88 巻 10 号 p. 2671-2676
正常膵管像の得られた25例を対象とし, 小十二指腸乳頭 (副乳頭) の開存について, pHセンサーを併用したインジゴカルミン色素散布法 (色素法) と内視鏡的逆行性膵管造影法 (ERP法) とで比較検討した. 色素法により副乳頭は, セクレチン負荷前にも副乳頭から膵液排泄を認めるI型, セクレチン負荷後に副乳頭から膵液排泄を認めるII型, セクレチン負荷後にも副乳頭から膵液排泄を認めないIII型に分けられ, I型:II型:III型は12:4:9であつた. 一方, ERPにより Santorini 管の末端は棒状, 嚢状, 分枝状に分けられ, 棒状: 嚢状: 分枝状は19:2:4であつた. ERPによる副乳頭の開存例は18例であつた. またERP法では開存していても膵液排泄を認めない副乳頭が2例存在した. 以上から, 副乳頭の機能の検討には色素法が必要であることが判明した.