日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
小十二指腸乳頭の開存に関する検討
pHセンサー併用色素法と膵管造影法との比較
中川 浩内藤 靖夫塚本 純久三竹 正弘山田 貢石原 明良広岡 芳樹
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1991 年 88 巻 10 号 p. 2671-2676

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抄録

正常膵管像の得られた25例を対象とし, 小十二指腸乳頭 (副乳頭) の開存について, pHセンサーを併用したインジゴカルミン色素散布法 (色素法) と内視鏡的逆行性膵管造影法 (ERP法) とで比較検討した. 色素法により副乳頭は, セクレチン負荷前にも副乳頭から膵液排泄を認めるI型, セクレチン負荷後に副乳頭から膵液排泄を認めるII型, セクレチン負荷後にも副乳頭から膵液排泄を認めないIII型に分けられ, I型:II型:III型は12:4:9であつた. 一方, ERPにより Santorini 管の末端は棒状, 嚢状, 分枝状に分けられ, 棒状: 嚢状: 分枝状は19:2:4であつた. ERPによる副乳頭の開存例は18例であつた. またERP法では開存していても膵液排泄を認めない副乳頭が2例存在した. 以上から, 副乳頭の機能の検討には色素法が必要であることが判明した.

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