1991 年 88 巻 12 号 p. 2853-2860
合成発色基質法を用いて血中 α2-Macroglobulin-Trypsin complex (α2M-T complex) 活性を測定し, その臨床的意義を検討した. 急性膵炎における血中 α2M-T complex 活性は慢性膵炎•膵癌に比し高かつた. 重症急性膵炎と軽中等症膵炎の入院時のα2M-T complex 活性 (mean±SD) を比較すると, 重症例は有意な高値を示し (13.1±12.9vs 2.9±3.5U/L, P<0.01), 異常率も重症例で有意に高かつた (100vs 41%, P<0.01). これらのことより, 血中α2M-T complex 活性の測定は急性膵炎重症化の指標となる可能性が示唆された.