日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
腹腔鏡的胆嚢摘出術の臨床的検討
初期70例の報告
井戸 健一木村 健川本 智章佐藤 信一礒田 憲夫谷口 友志中澤 義明鈴木 孝典大谷 雅彦熊谷 眞知夫堀川 知澁澤 公行矢部 親治
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1991 年 88 巻 7 号 p. 1436-1441

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抄録

Nd-YAGレーザーを用いた腹腔鏡的胆嚢摘出術を70例に施行し, 68例に成功した. 手術後の入院期間の平均は7.8日 (4~12) であり, 手術翌日より経口摂取及び歩行可能であつた. 手術時間は当初の10例は216分であつたが, 最近の28例は87分であつた. 手術時間により術後経過に差はみられなかつた. 術後の鎮痛剤 (pentazocine 15mg i.m.) の使用頻度は, 27.5% (19/68) であつた. 開腹術に移行した2例の理由は, 1例 (第1症例) が, 胆嚢剥離時にクオーツが跳ね, 門脈にピンホールを生じて出血したため, また1例が (第46症例) 胆嚢周囲の余りに強固な癒着のためであつた. 本法は, 胆石患者のQOLの向上に大いに期待できる手法であると思われた.

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