日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
表面型早期大腸癌粘膜下層浸潤様式
長廻 紘五十嵐 達紀大原 昇小幡 裕藤盛 孝博
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 88 巻 9 号 p. 2101-2106

詳細
抄録

表面型早期癌, あるいは起源が表面型早期癌であることが明らかな19個のsm癌につき, 粘膜下層浸潤様式を検討した. 浸潤様式をA (1~数個の癌腺管が粘膜筋板に接して粘膜下層にある), B (一箇所で粘膜筋板が破られ, そこから粘膜下層へ深く, あるいは大量に癌がある). C (多くの部分で粘膜筋板が破られている), の3型に大別した. 表面型sm癌の中に隆起型早期癌では稀なB型が少なくなく, 小さいうちに広基性に変形することがある(表面型起源広基性早期癌), のがわかつた. また大きな表面型sm癌はいずれもA型で, 表面型癌にも発育に遅速があることが推測された.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top