1991 年 88 巻 9 号 p. 2119-2126
急性胆嚢炎129例中, 71例に対して経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)を行つた. また, 手術 high risk 症例24例に対して経皮的胆嚢内視鏡下の截石 (PTGBS-L) を行つた. PTGBD施行例では, 70例(99%) で炎症は鎮静化した. PTGBD群と非施行群で臨床所見, US所見についての比較を行い, 数量化理論II類を用いて胆嚢炎重症度の数量化を行つた. 胆嚢の不整壁肥厚, 高度腫大と腹膜刺激症状あるいは筋性防御が重要な所見であつた. さらに重症度スコアーによる検討では, 0.5以上が緊急PTGBDの適応と考えられ, 高齢者などの high risk 症例に対しては, 0以上をその適応とすべきであると思われた. なお, PTGBS-Lでは24例中16例の完全截石に成功した.