日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
大腸腺腫, 癌における増殖細胞の免疫組織化学的検討
小井戸 薫雄下田 忠和
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1992 年 89 巻 11 号 p. 2664-2672

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抄録

抗DNA polymerase α抗体と抗Ki-67抗体を用いて, 免疫組織化学的に大腸上皮性腫瘍の増殖細胞の分布形成及び標識率を検討した. 大腸癌は発育形態より, 粘膜内隆起性発育を示す polypoid growth type と陥凹性発育を示す non polypoid growth type に分けられる. 増殖細胞は polypoid growth type の癌及び腺腫において, 主として粘膜病変の表層に分布し, non polypoid growth type の癌では早期癌も進行癌も主として粘膜癌部の深層に分布していた. 進行癌の約80%は non polypoid growth type であり, 増殖細胞の粘膜癌部での深層分布は粘膜下浸潤に大きく関与していると考えられた.

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