日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
PTCDに伴う胆道出血の治療
高原 理市川 正章久永 康宏清水 深雪鬼塚 俊夫市川 和男
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キーワード: 胆道出血
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1992 年 89 巻 9 号 p. 2030-2036

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抄録

過去6年7カ月間にPTCDを206例施行し胆道出血を14例, 6.8%に認めた. 治療は胆管洗浄によるもの3例, 太径カテーテルによる圧迫止血7例, TAEを施行した4例で, 全例止血に成功した. TAEを施行した4例はいずれも太径カテーテルによる圧迫止血の効果が認められなかつた. 塞栓物質は steel coil または spongel を使用し, 塞栓部位は右肝動脈を選択的に塞栓した1例に再出血を認めたため, 同症例を含め, 門脈血流および肝予備能が正常であれば, 基本的に全ての肝動脈を塞栓することとし良好な止血効果を得た. なお, 胆道出血をきたしたPTCDルートは再出血の可能性を考慮し, TAE施行後は速やかに抜去し, 新たにPTCDルートを追加した.

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