成人38例において, 肝薬物代謝能を fluorescence polarization immunoassay 法を用いてリドカイン (Lid) の代謝産物である血中MEGX (monoethylglycinexylidide) 濃度を測定し検討した. Lid 負荷15分後および30分後の血中MEGX値, また負荷後15～30分と0～180分のMEGX濃度曲線下面積は, ICG停滞率, アンチトロンビンIII値および総ビリルビン値と強い相関を認めた. さらに, 種々の肝機能検査値との相関関係および主成分分析において, 各MEGX値のうち Lid 負荷後30分値を用いた評価法が望ましいものと思われた. リドカイン負荷試験は簡便に行える薬物代謝能の評価法であり, 総合的な肝機能評価法の一つになりうるものと思われた.
