入院治療で寛解に至った60例の Crohn 病患者に対し, 在宅栄養療法として半消化態栄養剤を投与し, その寛解維持効果を検討した. 投与量によって3群に分類し, それぞれで再燃率および再入院率を算出し, 比較した. その結果, 1600kcal/日以上摂取群は有意に再燃率が低く, また800kcal/日以上摂取群は, それ以下の群に対して有意に再入院率が低かった. 再燃した患者群と寛解を維持した患者群間で臨床像を比較検討したが, 有意なものはなかった. 以上より, Crohn 病の再燃の因子として, 在宅での栄養管理が大きな位置を占めており, 半消化態栄養剤の服用は Crohn 病の長期寛解維持に有効であり, その効果は飲用量に依存すると考えられた.