1993 年 90 巻 12 号 p. 2971-2978
抗ヒトPG I, IIモノクローナル抗体を用いて, 56例の胃癌の免疫染色を行いPG I陽性率3.6%, PG II陽生率19.6%であった. 陽性率は早期癌, 分化型癌で高く, 肉眼型ではIIc, 主病変部ではC領域に多い傾向を認めた. しかし, PG I, II陽性例と陰性例の間に血清PG I, II値とも有意差を認めず, また逆に血清PG I, II異常高値例での陽生例はなく, PG陽性胃癌と血清PG値は必ずしも関連がないと思われた. また, PG陽性癌の背景粘膜として炎症, 萎縮, 腸上皮化生の程度について陰性癌と比較検討したが差は認めなかった.