1993 年 90 巻 12 号 p. 3028-3031
手術により組織学的に評価を行いえた肝細胞癌37症例54結節に対する術中でのカラードップラーによる腫瘍内血流の観察を行い考察を行った. 腫瘍の大きさ別の腫瘍内拍動性カラーシグナルの検出率は1cm未満で70%, 1~3cmで95.8%, 3cm以上では100%であった. また定常性血流については21.4%の検出率であった. さらに腫瘍の大きさおよび組織学的分化度ごとに測定した腫瘍内血流速度は腫瘍径が大きくなるほど, また分化度が低くなるほど, 血流速度は速くなる傾向があった.