日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ラットエチオニン急性膵炎に対するCCK受容体拮抗剤, glutamic acid 誘導体KSG-504の効果
奥村 嘉章馬場 忠雄新谷 寛吉岡 うた子井上 久行藤山 佳秀細田 四郎
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1993 年 90 巻 12 号 p. 3032-3040

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抄録

内因性 cholecystokinin の急性膵炎の進展に及ぼす影響を検討した. エチオニン急性膵炎ラットにCCK-A受容体拮抗剤であるKSG-504 (25, 50, 100mg/kg体重) を6時間ごとに6回皮下注射し, KSG-504非投与群と比較した. 投与群では, 膵組織内蛋白含量と酸素含量の低下が抑制され, 組織学的検討においても小葉間浮腫, 炎症細胞浸潤, 腺房細胞の壊死が抑制された. 特に100mg/kg体重の投与群でその効果は著しく, ラットエチオニン膵炎の進展に内因性 cholecystokinin の関与が示唆された. また, BrdU を用いてKSG-504の膵炎後の再生に及ぼす影響を検討したが非投与群との間に差は認めず, 再生に及ぼす影響は軽微であると考えられた.

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