1993 年 90 巻 2 号 p. 154-158
膵管内にオレイン酸50μlを注入して作製した膵外分泌不全ラットを用いて, 血漿CCK値の経時的変動を検討した. これらのラットでは, 膵重量はオレイン酸注入1週間後には対照群の50%以下に低下し, 56日後も低値が持続した. 膵組織像では, 早期より膵腺房細胞の壊死脱落, 管腔化および間質の線維化を認め, 次第に脂肪置換が進行した. 血漿CCK生物活性はオレイン酸注入24時間後には前値の6倍にまで著明に上昇し, その後漸減するものの56日後もなお対照群に比べ高値であった. ラットに作製した慢性膵外分泌不全モデルにおいて, 血漿CCK濃度の変化は膵重量ならびに組織学的変化とは一致しなかった.