1993 年 90 巻 6 号 p. 1497-1506
胆嚢病変に対し slow injection dynamic CT (SI-CT) を施行し, CT像を組織像と対比検討した. 濃染程度と組織像の関係は, 濃染度I: 壊死組織, 濃染度II: 間質結合織が豊富で上皮成分の少ない組織, 濃染度III•IV: 間質結合織が少なく上皮成分の豊富な組織, であった. 次にCT像の形態と濃染程度により胆嚢癌の診断基準を作成した. (1) polypoid type 濃染度III•IV, (2) mass forming type, (3) locally thickened type 濃染度II, (4) locally thickened type 濃染度III•IV, (5) generally thickened type 濃染度I• II. この診断基準による accuracy rate は88%であり, 胆嚢癌診断においてSI-CTは有用な検査法であると思われた.