日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Helicobacter pyloriに対する免疫応答の検討
―血清抗HP抗体が認識する蛋白同定の試み―
二神 生爾高橋 秀実野呂瀬 嘉彦長田 久美子小林 正文野村 武夫
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1994 年 91 巻 12 号 p. 2202-2213

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抄録

HPの菌体成分を分離して得た各分画と,種々の胃・十二指腸病変患者血清とが強く反応した分画は,同時にマウス抗HPウレアーゼモノクロナール抗体とも反応し,しかもウレアーゼ活性を示した.また,他種のウレアーゼとの交差反応性は検出されなかったことより,患者血清中にはHPウレアーゼ特異的抗体が存在していることが判明した.さらに,精製HPウレアーゼをSDS/PAGEを用いてサブユニットに分離しwestern blot法にて追跡したところ,患者血清はいずれもウレアーゼのlarge subunitを構成しているB鎖を抗原認識部位としており,この蛋白が患者血清中に存在する抗HP IgG抗体の主たる認識部分であることを見いだした.

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