日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
多包性肝エキノコックス症に対するbenzimidazole系薬剤の効果
佐藤 直樹内野 純一青木 茂田口 宏一西川 真馬場 英治中川 隆公秦 庸壮嶋村 剛神山 俊哉高橋 昌宏松下 通明中島 保明宇根 良衛栗林 弘鈴木 清繁郡 修徳井関 健宮崎 勝巳
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1994 年 91 巻 7 号 p. 1197-1204

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抄録

多包性肝エキノコックス症の治癒は完全切除でのみ得られるが,欧米ではbenzimidazole系薬剤有効例の報告がある.患者37例(男20例,女17例,平均年齢45.9歳)にWHOのプロトコールに準じmebendazole(MBZ)(n=17),albendazole(ABZ))(n=20)をま斐薬し,副作用,薬剤濃度,血清検査値,また画像上の計測可能な病巣の増減を比較した.
MBZ群の血清値には変動なく,2例(12%)に肝障害,脱毛を呈し,総胆管閉塞(1例)は解除されたものの病巣(肝5,肺3)は緩慢に増大(1年後:105%,2年後 : 112%)した(有効PR1,不変NC6,進行PD2 : 奏効率 : 11.1%).ABZ群では副作用なく,ELISA値は有意に低下(12例中10例),病巣(肝1,肺3,胸壁1,膵後部1)は有意に縮小し(平均56%)(PR3,NC3 ; 奏効率 : 50.0%),MBZより安全かつ有効であった.

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