1994 年 91 巻 8 号 p. 1277-1282
PCR法を用いたHelicobacter pylori(H.pylori)の検出法を培養法およびH.pyroli抗体検出法と対比検討した.1)PCR法は,H.pyloriの菌数40CFUまで検出可能であった.2)PCR法はH.pylori抗体検出法との間での関連を認め,組織学的胃炎の検出において培養法に比べ有意の高い検出率を示した.3)疾患別では,PCR法とH.pylori抗体検出法はほぼ同様の検出率を示し,慢性胃炎においてPCR法は,培養法に比べ有意に高率であった.PCR法は,H.pyloriの検出法として感度の高い優れた方法であると考えられた.