日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
実験的急性肝不全の薬剤治療における脾摘の影響
工藤 浩市柿坂 明俊葛西 眞一水戸 廸郎
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1995 年 92 巻 7 号 p. 1051-1057

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抄録

肝機能障害時の肝脾相関を明らかにするため,D-galactosamine(D-Gal)とlipopolysaccharide(Et)で作成した急性肝不全時におけるdibutyryl cyclic AMP:DBcAMP=IA群,およびOK-432=IIA群の投与効果および脾摘(それぞれIB群,IIB群)との関係から検討した.生存率はD-Gal,Et投与群の10%に対して,IA群53%,IB群79%で,他の検査同様に脾摘群でより良好であった.一方OK-432治療群では,脾臓の存在でより強い肝障害抑制効果が認められた.以上よりD-Gal,Et肝不全に対するDBcAMPの治療効果に対して脾臓は抑制的に,OK-432の作用に対しては促進的に作用することが示唆された.

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