日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Ligating device使用による内視鏡的胃粘膜切除術(EMRL)―安全で確実な基本手技確立のための基礎研究と臨床応用―
本橋 修佐野 秀弥高木 精一幾世橋 篤大川 伸一玉井 拙夫多羅尾 和郎
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1995 年 92 巻 8 号 p. 1113-1119

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抄録

われわれは,内視鏡的粘膜結紮術を併用した胃粘膜切除術(EMRL)の安全で確実な手技を確立するために14匹の雑種成犬を用い,本実験を施行した.
本手技において,(1)平均15×12mmの大きさの粘膜切除が可能であり,(2)従来,内視鏡的粘膜切除に困難を生ずる部位[胃角後壁,胃体部小彎および噴門直下(胃体上部小彎)など]に対しても容易に施行でき,(3)安全に本手技を施行するためには粘膜下への生理食塩水の局注は必須であった.(4)分割切除でも,直径20mmの大きさの粘膜面を2~4回の分割切除で確実に切除可能であった.生理食塩水の局注後の切除において,各々の切除片は一様に粘膜筋板よりも深く切除され,固有筋層の表層までは達していなかった.

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