日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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食道胃移行部粘膜と膵様胞状腺―手術材料における組織標本の検索を中心に―
野首 光弘
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1996 年 93 巻 12 号 p. 876-883

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抄録

52人の悪性腫瘍患者の手術材料を用いて, 食道粘膜-胃底腺粘膜移行域の組織学的検索を行った. 全摘胃32個の縦軸標本の検索では, 粘膜内の膵様胞状細胞を口側6分の1区間にのみ認める場合が多く(12人中10人, p<0.05), 特にsquamocolumnar junction(SCJ)を中央とする10mmの範囲に集中していた(胞状細胞巣38個中34個, p<0.05). 白色上皮終末部の全割標本では, 胃癌31人中20人, 食道癌20人中13人に胞状細胞を認め, 陽性率に差はなかった. 胃腺の萎縮が高度な部はSCJを中央とする4mmの区間(SCJ部)より胃側に存在することが多く, 両部を比較すると, SCJ部には腸上皮化生が乏しく胞状細胞や2層上皮, 上皮島が多い傾向があった. SCJ部の胞状細胞の存在は萎縮性胃炎や胃癌という病的状態よりは消化管粘膜上皮移行部という解剖学的位置との関連性が伺われ, orthotopiaの可能性が考えられた.

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