外来患者の感情障害のスクリーニングテストであるhospital anxiety and depression scale日本語版の信頼性と妥当性を検討することを目的に, 1995年4月から10月にかけて, プライマリ・ケアを担う1病院において, 消化器外来患者265名を対象に, すでに信頼性と妥当性が証明されている, STAI(状態・特性不安検査), SDS(自己評価式抑うつ尺度)とHAD日本語版への回答を依頼し, HADの信頼性をitem-remainder correlationと内的整合性係数により検討した. 妥当性については, STAIとSDSを基準とした基準関連妥当性を検討した.
その結果, HADは信頼性および妥当性ともに良好で, 患者への負担が少なく, 消化器外来患者への適用が可能であると考えられた.