日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
側方発育型大腸腫瘍(laterally spreading tumor,LST)の臨床病理学的検討
岡本 傳男田中 信治春間 賢平賀 裕子国弘 真己五石 宏和谷本 達郎隅井 雅晴吉原 正治隅井 浩治梶山 梧朗嶋本 文雄
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1996 年 93 巻 2 号 p. 83-89

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抄録

側方発育型大腸腫瘍(laterally spreading tumor,LST)の臨床病理学的検討を行った.対象92病変を,表面性状によりgranular type(以下G type,47病変)およびflat type(以下F type,45病変)に分類した.癌併存率は,G typeでは径10~14mm25.0%,径15~19mm 22.2%,径20mm以上63.3%であり,F typeでは径10~14mm46.9%,径15~19mm80.0%,径20mm以上100%であった.いずれの腫瘍径においてもF typeはG typeと比較して高い癌併存率を示し,特に径20mm以上では有意差を認めた(p<0.05).また,F typeは癌の深部浸潤率,腺腫異型度ともにG typeと比較して高い傾向を示した.以上,F typeはG typeと比較して悪性度の高い病変と考えられた.

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