日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
C型慢性活動性肝炎のinterferon治療の効果予測におけるFSSA法によるウイルスのクローン数と塩基多様度の検討
梶村 幸三山下 幸孝久米川 好美高谷 晴夫丸澤 宏之桂田 哲
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1996 年 93 巻 4 号 p. 249-254

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抄録

IFN(interferon)治療を行った,C型慢性活動性肝炎患者に対して,FSSA法(fluorescence single strand conformation polymorphism and sequence analysis)によるクローン数とHVR(hypervariable region)の塩基多様度の解析を行い,その有用性を検討した.FSSA法では個々のHCVの塩基配列はわからないが,塩基配列の違いの程度を類推できる.ウイルス量,クローン数が少なくても治療効果の悪い症例があり,そのような症例では塩基多様度が大きい結果が得られた.クローン数が多くても,塩基多様度の少ない症例では治療効果が良い結果が得られた.クローン数よりも塩基多様度のほうが治療効果に影響を与えると考えられた.

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