内視鏡的硬化療法(EIS)における予防的酸素投与の有用性をみるため,酸素投与群(oxygen(+)群)と非投与群(oxygen(-)群)の,EIS施行中における酸素飽和度,脈拍,血圧のモニタリングを行った.またoxygen(-)群でEIS前後の動脈血酸素分圧を測定した.酸素飽和度は,oxygen(-)群でEIS施行中低下するのに対し,oxygen(+)群では終始安定し,両群間で有意差を認めた.脈拍,血圧は,両群とも増加したが,oxygen(+)群で増加率が低率であり,特に脈拍で有意差を認めた.EIS前後で酸素分圧の変化には,一定の傾向を認めなかった.EIS中の呼吸・循環動態を把握するにはモニタリングが必要で,予防的酸素投与は呼吸・循環動態を安定化させるのに有用と考えられた.