日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
早期胃癌におけるc-erbB-2およびnm23の免疫組織化学的検討
青柳 慶史朗孝冨士 喜久生児玉 一成大田 準二高宮 博樹水谷 和毅武田 仁良白水 和雄
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キーワード: 早期胃癌, c-erbB-2, nm23
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1996 年 93 巻 9 号 p. 613-619

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抄録

早期胃癌108例(m癌71例,sm癌37例)におけるc-erbB-2およびnm23の発現を免疫組織化学的に検討した.c-erbB-2の発現はsm癌でm癌に比べ有意に高率であり,sm癌の中でもsm3でsm1に比べ高率の傾向を示した.また,c-erbB-2の発現はm癌,sm癌ともにリンパ節転移例で有意に高率で,転移巣で原発巣に比べ陽性率は増強した.一方,nm23は深達度との関連はなく,m癌,sm癌ともに有意差はないもののリンパ節転移例で低率で,転移巣でのnm23の発現は認められなかった.以上よりc-erbB-2は深達度および転移への関与が認められ,nm23は転移抑制への関与が示唆された.

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