1998 年 95 巻 7 号 p. 743-749
肝線維化は, 肝硬変を特徴づける病像の一つであり, 過剰な細胞外マトリックスの沈着による. マトリックス産生の中心的役割を担うのは星細胞であり, 線維肝においては星細胞は種々のサイトカインにより活性化され, レチノイドを失い, マトリックス産生能・増殖能を獲得する. これらサイトカイン刺激のなかでは, 特にTGF-βとPDGFが重要であり, ともにautocrine, paracrineloopにより, 前者は星細胞のマトリックス産生を, 後者は増殖を刺激する. その他, TNF-α, IGF, IFN, ET-1などのサイトカインが, 各々特徴的な作用を星細胞に及ぼし, 肝線維化に関与する.