日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
動物細胞由来遺伝子組換えHBワクチンとヒト血漿由来HBワクチンの接種効果の比較―5年間の観察成績から―
矢倉 道泰上司 裕史原田 英治
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1999 年 96 巻 1 号 p. 21-28

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抄録

医療従事者を対象として,Chinese Hamster Ovary Cell由来遺伝子組換えHBワクチン(CDV,131名)と血漿由来HBワクチン(PDV,112名)の抗体反応を5年間観察し,両ワクチンの比較検討を行った.その結果,7カ月の陽転率ではCDV群96.9%,PDV群77.8%,5年後ではそれぞれ74.1%と40%となり,獲得抗体価の幾何平均値(GMC)では7カ月でCDV群588IU/l,PDV群83.0IU/l,5年後ではそれぞれ69.4IU/lと7.2IU/lであった.また,性別,年齢階級別比較でも陽転率,抗体価ともにCDV群のほうが有意に高く,とくに40歳以上で顕著な差を認めた.両群の陽転者の平均抗体価は7カ月目をピークとして平行して減衰した.なおnon-responderはCDV群2.3%,PDV群15.2%であり,前者で有意に低率であった.

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