1999 年 96 巻 4 号 p. 369-376
近年の画像診断の進歩により,年々,膵疾患に関する臨床的な理解が深まるようになってきたが,膵癌をはじめとして,その早期診断は未だに困難な状況にある.この背景には,検診の経済効率など診断技術とは別に一般的な事情もあるが,先端技術の粋を集めた画像診断にかかる期待は大きい.従来の超音波,CT,MRIに加え,最近,らせんCTやMR cholangiopancreatographyが実用化されたほか,核医学方面ではFDG-PETの膵癌検出能が注目される.また,超音波を用いたEUSやIDUSは局所の詳細診断法として評価される.今後,開発されつつある各種造影剤と3D画像技術の応用が大いに期待される.