日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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胃癌の転移リンパ節からみた予後の検討
鯵坂 秀之吉光 裕礒部 芳彰竹下 八洲男
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1999 年 96 巻 5 号 p. 511-517

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抄録

根治手術を施行したリンパ節転移陽性胃癌患者121例を対象とし,リンパ節転移程度(n),リンパ節転移個数,転移リンパ節の大きさ,微小リンパ節転移,リンパ節転移巣の組織型,節外浸潤およびリンパ節周囲リンパ管侵襲による予後の検討をretrospectiveに行った.リンパ節転移程度が大きいものほど有意に予後不良であり単独でも予後を反映していた.リンパ節転移個数が7個以上のもの,転移リンパ節の最大径が15mm以上のものは有意に予後不良であり,転移リンパ節の定量的評価が必要であると考えられた.また節外浸潤陽性群,リンパ節周囲リンパ管侵襲陽性群は有意に予後不良であり,転移リンパ節の病理組織学的評価が必要であると考えられた.多変量解析では転移リンパ節の最大径>リンパ節転移個数>リンパ節転移程度の順に予後を反映していた.

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