日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
胆嚢動脈造影下CTで胆嚢静脈灌流域の限局性肝転移と考えられた胆嚢癌の1例
萱原 隆久菊山 正隆北中 秀法松林 祐司熊岡 浩子平井 律子望月 千博新田 隆士西平 友彦井上 章戸部 隆吉
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1999 年 96 巻 6 号 p. 680-684

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抄録

76歳の女性.胆嚢結石の術前検査で胆嚢底部に広基性隆起を認め胆嚢癌の合併を疑い精査した.胆嚢動脈造影下CTで胆嚢静脈の灌流域はS4,S5の肝床に接した高吸収域として描出され,その内部に直径10mmの円形の低吸収域を認めた.手術の結果胆嚢病変は進行した低分化型腺癌で高度の静脈侵襲をともないS4の肝床近傍に結節状の転移巣を認めた.胆嚢静脈灌流域内への胆嚢癌の血行性転移を限局性肝転移として画像的にとらえた症例と考えた.

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