日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
進行胃癌に合併した血栓性血小板減少性紫斑病の1例
米田 諭吉川 正英小林 洋三山根 佳子中谷 敏也岩澤 秀西村 公男渡邉 巌阪口 晃行児島 佑中野 博重福井 博
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 96 巻 8 号 p. 947-952

詳細
抄録

症例は71歳,男性.心窩部不快感および食欲不振が持続するため入院となった.上部消化管内視鏡検査にて,Borrman 3型胃癌を認めた.経過中,血小板低下,溶血性貧血,腎機能障害,意識障害,発熱が出現し,血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と診断した.血漿交換を施行し,これらの症状が改善した後,胃全摘術を施行した.悪性腫瘍症例に血小板低下をみた際には,DICの鑑別疾患としてTTPも念頭に置く必要があると考えられた.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top