日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Helicobacter pylori除菌による短期的および長期的な酸分泌能,背景胃粘膜の推移
井上 貴夫中澤 三郎芳野 純治乾 和郎若林 貴夫奥嶋 一武小林 隆西尾 浩志中村 雄太嘉戸 竜一渡辺 真也平 尚美神谷 直樹
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2000 年 97 巻 1 号 p. 21-27

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抄録

H.pylori除菌に成功した消化性潰瘍患者48例を対象とした.胃液pHは除菌前2.46から判定時1.65へ低下した(p<0.001),疾患,萎縮腺境界,炎症細胞浸潤,組織学的萎縮で多因子解析すると,萎縮腺境界のみが有意な独立因子であり,萎縮が広いほど除菌後に胃液pHが低下した.また,夜間pH3 holding timeは54.1%から22.3%へ減少した(p<0.005).長期経過観察17例(平均15.2カ月)では,胃液pHは1.66と低値を維持し,体上部の萎縮スコアは1.5から0.9へ低下した(p<0.05).除菌後長期では壁細胞の機能的回復に加え,胃底腺粘膜の組織学的萎縮の改善がpHの回復に関与していると考えられた.

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