日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Mesalazine粉末の投与により胃病変の改善をみたクローン病の1例
長又 博之島居 明和泉 元喜穴見 美佳山下 伸子稲玉 英輔戸田 剛太郎
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2000 年 97 巻 10 号 p. 1261-1266

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抄録

症例は32歳,男性.小腸クローン病にて経過観察中に胃内に多発するアフタ様病変,幽門狭窄を認めた.病理組織学的にもRobertらの報告するクローン病の胃病変の特徴と一致したため,本症の胃病変をクローン病と診断した.5-aminosalicylic acid(5-ASA)の胃病変への直接作用を期待してMesalazine錠を粉末化投与することにより,胃病変の改善を認めた.本法は,外科的治療に比べ侵襲が少なく,有効な治療法と考えられた.

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