日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Skip lesionを呈し大腸内視鏡検査が誘因と考えられた虚血性大腸炎の1例
中牟田 浩治城野 健児松永 圭一郎村田 育夫早川 友一郎村瀬 邦彦河野 茂
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2000 年 97 巻 10 号 p. 1283-1287

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抄録

症例は,68歳男性で,大腸内視鏡検査翌日より血性下痢と腹痛が出現し,第2病日に入院した.入院時の注腸X線検査と,腹部CT検査,腹部超音波検査にて上行結腸と下行結腸に拇指圧痕像や壁肥厚像が認められた.以上より,大腸内視鏡検査が誘因と考えられた虚血性大腸炎と診断した.保存的治療にて速やかに症状は消失し,第14病日の内視鏡検査では,治癒していた.大腸内視鏡検査が誘因でskip lesionを呈する虚血性大腸炎は極めてまれであり報告した.

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