2000 年 97 巻 12 号 p. 1497-1501
肝細胞癌(HCC)に対する経皮的マイクロ波凝固療法(PMCT)後に胆汁性嚢胞(biloma)が発生した1例を経験した.本症例は,S7/8とS4/5のHCCに対して,5回のTAEと3回のPEITを施行した.その後,S2/3に出現した新たなHCCに,PMCTを3回施行.その10カ月後に発熱,腹痛をともない,S2/3に嚢胞性病変が出現した.画像診断と嚢胞液の性状より,感染性胆汁性嚢胞と診断.ドレナージと抗生剤投与にて症状軽快し,6カ月後にはbilomaも消失した.