日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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胆管結石類似のERC像を呈した胆管内発育型肝細胞癌の1例
米田 諭吉川 正英今津 博雄福井 博山根 佳子中谷 敏也岩澤 秀西村 公男榎木 登飯室 勇二森本 泰介山岡 義生
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2000 年 97 巻 5 号 p. 595-599

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抄録

症例は,61歳男性.肝右葉前区域の塊状型肝細胞癌に対する手術治療の待機中に,繰り返す心窩部痛,黄疸を認めた.内視鏡的逆行性胆管造影では肝門部胆管内に類円形の透亮像を認め胆管結石様であった.しかし,腹部MRIでは肝細胞癌の胆管内発育進展を疑った.開腹手術で,肝右葉前区域から連続性に総胆管内まで発育した肝細胞癌と診断した.肝細胞癌を有する症例に閉塞性黄疸がみられた際は,胆管閉塞機転として胆管腫瘍栓を視野に入れる必要がある.

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