日本消化器病学会雑誌
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総胆管結石の治療―内科医の立場から
西川 稿滝川 一
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2000 年 97 巻 9 号 p. 1130-1135

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抄録

総胆管結石の治療法として,内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)や内視鏡的乳頭拡張術(EPD)を用いた排石法は現在確立されたものとなっている.我々の総胆管結石の治療方針はまず内視鏡下に排石を行い,胆嚢結石がみられる場合は引き続き外科で胆嚢摘出術を行うのを基本としている.この2年間の総胆管結石42例のうち38例(90%)でESTまたはEPDにより排石に成功した.このうち胆嚢結石のない21例は排石後退院となった.胆嚢結石を合併した17例中9例はさらに胆嚢摘出術を行い,8例は種々の理由で経過観察となった.EST,EPDを用いた内視鏡下総胆管結石排石法は入院期間短縮,患者負担・負荷の軽減の面から優れた方法と考えられた.

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