日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
わが国における肝移植の現状と展望
田中 紘一
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2001 年 98 巻 1 号 p. 8-14

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抄録

わが国における肝移植は,生体ドナーからの肝移植が主体で脳死肝移植は法施行後3年を経過したが未だ厳しい状況である.生体肝移植は導入後およそ10年が経過し移植施設が35,移植数が1200以上となり,着実に一般医療として定着の方向にある.現在の最大の課題は成人生体肝移植であるが,ドナー選択の医学的・社会的困難さ,サイズマッチングに伴う問題・ウイルス性肝疾患や肝癌への適応拡大に関する課題等多くの克服すべき点がある.今後,わが国での肝移植希望者はさらに増えてくることは間違いない.より質の高い移植医療と効率の良い医療経済の確立が重要である.

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