2001 年 98 巻 10 号 p. 1164-1173
胆管疾患診断に対するMRCPの臨床的意義について検討した.ERCP施行311例を対象にMRCPを併施し,ERCP所見にブラインドでMRCP像を読影した.胆管描出率は99%でERCPより高率であった.胆管結石診断能は感度95%,特異度97%,正診率97%と良好な結果であった.微小結石は診断困難であった.胆管狭窄存在診断能は感度97%,特異度96%,正診率96%であった.胆管末端の狭窄の描出は困難であった.MRCPは胆管病変疑診例に対し精度の高い診断法として,受診後早期に施行されるべきであるが,読影には特有のpitfallに注意が必要である.