日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
胃癌のクリティカルパスの意義
消化器疾患と社会医学
小西 敏郎野家 環古嶋 薫針原 康
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2001 年 98 巻 12 号 p. 1341-1348

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抄録

当院における胃癌のクリティカルパスの導入経過および成果を紹介し,クリティカルパスの意義について述べた.クリティカルパスは米国でDRG/PPSへの対応として開始されたが,わが国では医療の質の向上,治療・看護の標準化,チーム医療の推進やリスク管理の展開,そしてなによりも患者中心の医療が推進されるとの観点から,クリティカルパスの普及が必須と考えられてきている.これからの電子カルテ化やオーダーの自動化にも対応できる利点がある.医療費の適正化を図るにも,粗診粗療につながる恐れのあるDRG/PPSを導入するよりは,医療の質を高め,効率化を実現できるクリティカルパスを展開することが21世紀の日本の医療改革に必要である.

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