2001 年 98 巻 3 号 p. 269-277
肝門部胆管癌は大部分が閉塞性黄疸を呈してから診断されるが,癌の進展度診断をしないでERBDが行われ,手術適応の検討がされずに胆管炎で死亡する例も多い.PTBDを行って肝機能を改善してゆく過程で精密診断を行えば切除率を80%にまで上昇させることができる.肝切除率,肝予備能の評価を行い,広範肝切除例にはPTPEを行って手術の安全性を高めておく.
根治切除例の5年生存率は20%~30%くらいである.姑息切除に終わっても非切除例よりも予後は良好である.門脈合併切除術後の3年生存率は約25%であり,この外科治療法の意義は大きい.リンパ節転移があっても拡大リンパ節郭清を行えば予後の延長につながる.