日本消化器病学会雑誌
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SLEの治療中にサイトメガロウイルス関連血管炎による腸管壁内血腫を発症した1例
佐藤 康裕堀本 正禎渡辺 秀樹潘 紀良乾 典明小野寺 義光林 毅藤田 朋紀宮西 浩嗣新津 洋司郎
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2001 年 98 巻 3 号 p. 295-299

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抄録

症例は22歳の女性.SLEのため副腎皮質ホルモン投与中,突然の腹痛の後に血圧が低下しショックに陥った.CT等にて腹腔内出血が疑われ,出血源が不明であったため開腹したところ,横行結腸壁内に巨大血腫を形成していた.病理所見では血管内皮細胞内に核内封入体を認め,血清抗サイトメガロウイルス(CMV)抗体が高値であったため,CMV関連血管炎による腸管壁内血腫と診断した.非常にまれな病態と考えられ,若干の文献的考察を加え報告する.

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