2001 年 98 巻 7 号 p. 822-826
症例は58歳の男性.人間ドックの腹部超音波検査で左腎と脾臓との間に約50mm大の腫瘤を指摘された.由来臓器を同定できないまま,腫瘤摘出術を施行.腫瘤は胃体部大彎後壁に径5mm程の索状物を介して付着し,胃壁各層との連続性は見られなかった.免疫組織染色ではCD34陽性,SMA陰性,S-100陰性で,狭義のgastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断された.特異な発育を示した症例と考え,その発育様式について文献的考察を加え報告した.