クローン病患者27症例を対象として, multidetector-row CT (MDCT) の有用性について検討した. MDCTによりクローン病の病変は, 腸管壁肥厚, 狭窄, 造影剤による腸管壁の増強効果, 脂肪織混濁, 腸間膜リンパ節腫大として捉えられた-MDCTによるクローン病の所見は, 大腸鏡検査, 注腸造影検査, 小腸造影検査および上部消化管内視鏡検査と7696以上の一致率をみた. さらに病期によるMDCT所見の変化をCrohn's diseaseact Mtyindex (CDAI) により活動期, 寛解期に分け比較検討した. CDAIと腸管壁の厚さの間には有意な正の相関 (r=0.70) を認めた-また, 活動期13症例では, 寛解期14症例と比較して有意に腸管壁肥厚, 腸間膜リンパ節腫大, 脂肪織混濁の所見を認め, クロ-ン病の活動性病変を反映していた-MDCTによるクローン病病変の検索は侵襲が少なく, 急性活動期症例においても有用であった.